- 2020年9月18日
最近、内視鏡検査、外来の患者さんが数多くいらっしゃってくださり、待ち時間が長くなってしまっています事を心よりお詫び申し上げます。
予約時間より30分以上お待たせしまうことも多々あり、患者さんの大切な時間を奪ってしまい、本当に心苦しいです。
当院では症状のある方に一刻も早く内視鏡検査を提供できるよう、一日の内視鏡検査の枠をかなり多く設けており、緊急検査や当日内視鏡検査も積極的に受け入れているため、どうしても外来患者さんにお待ちいただく時間が長くなってしまいます。
特に午前中は内視鏡検査と外来を同時に行っているため、お待たせする時間が長くなる傾向にあります。
ただ、お待ちいただいた分、満足いただける医療を提供している自信はあります。
午後は比較的空いておりますので、時間に余裕のある方は15:30-16:30の予約をお勧めいたします。
ご迷惑をお掛け致しますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。 武蔵小山胃腸内視鏡クリニック
院長 土井健一
- 2020年8月31日
2007年2月、父から電話があった。
「健一、おしっこが茶色いんだけど…」
いつも、体調が悪いと些細な事でも医師である僕に電話をかけてくる父。
この日もいつも大げさに言う父の事だからそこまで真剣にとらえず、
「とりあえず血液検査をしてもらって」と、軽い気持ちで電話を切った。
それから数日後、黄疸の数値が上がってるからすぐ精密検査をしてもらってくださいと、近くのクリニックから電話があったと連絡がきた。
この時も、まさか父が膵がんに侵されているとは微塵にも思わなかったが、念のため、エコー、CTなど精密検査のできる病院への受診を勧めた。
「膵がんの可能性が高いから入院することになった・・・」と、父から連絡を受けた時は絶句し、かける言葉が見つからなかった。
第一の後悔
これまで胃カメラ、大腸カメラ、血液検査はしていたが、膵臓に関しては全く検査をしていなかった。今考えれば、脂っこい肉が大好きで、肥満傾向にあったため膵がんのリスクはあることから、絶対に検査をしておかなければいけないと思うが、まさか自分の父が膵がんになるなんて思ってもいなかった。
第二の後悔
手術当日
父は、発見されたとき膵がんのステージⅢくらいで何とか手術できると言われたが、手術が始まり、しばらくすると執刀医から呼ばれ、「お腹を開けてみたら予想より進行しており、このまま何もせずにお腹を閉じることもできるがどうしますか?」と言われた。
僕は父なら何もせずに諦めることはせず、必ず勝負するだろうと考え、「このまま手術を続けてください」と、お願いした。
手術は成功したが、その後2年半の闘病生活の末、2009年9月25日に亡くなった。
癌による闘病生活はここで書くことはできないほど壮絶であり、術後は1度も人間らしい生活を送れなかったように思います。 果たしてあの時、手術を中止し、抗がん剤などの治療をしていたらどうだっただろうか? 今でもあの判断が本当に正しかったのか?11年経った今でも答えは見つからないです。
家族が癌になるという事
本人だけでなく、周りの人たちすべての生活が一変します。 もちろん本人が一番苦しいのですが、同じくらい周りの人も苦しいです。
まさか、自分が癌になるわけがない。
この考えを変えてほしいです。
絶対に自分は癌になるはずだと。
国民の2人に1人は癌になる時代に、自分が癌になるわけがないなんてありえないのです。
癌の部位にもよりますが、胃がん、大腸がんは内視鏡さえやっていれば、たとえ癌になっても早期発見できるため命を落とすことはほとんどありません。
それに加え、当院では膵がんに対しても他院と提携し早期発見できるよう膵がんドックも行っています。
自分のところに来てくださる患者さんには、絶対に胃がん、大腸がん、膵がんで死なせたくはありません。
少しでも胃腸に不安のある方や膵がんのリスクのある人(家族に膵臓癌に罹患した人がいる糖尿病、慢性膵炎、膵嚢胞がある、肥満、喫煙者、大量飲酒者など)はぜひ当院で検査を受けてください。
宜しくお願い致します。
- 2020年7月10日
私は父と姉を膵臓癌で亡くしています。父は67歳、姉は47歳でした。
膵臓癌は年々死亡者数が増加しており、最近の統計ではがんで亡くなった方の部位別で4番目に多い数字です。ちなみに1位肺癌 2位大腸癌 3位胃癌です。
膵臓癌は他の臓器に比べ早期発見が難しく「サイレントキラー」と呼ばれ、発見されたときには手遅れとなることがほとんどです。現に父も姉も発見されたときは離れた臓器に転移が認められるステージ4aでした。
近親者2人が膵臓癌に罹患した場合、普通の人の6.4倍膵臓癌にかかりやすいと言われています。姉が亡くなってから私も膵臓癌に罹患する恐怖と闘い、もしなったとしてもなるべく早期に発見できるよう様々な検査を受けています。
では、膵臓癌を早期発見するためにはどのような検査が必要か?
1.腫瘍マーカー
膵臓癌の有名なマーカーとしてCA19-9、CEAがありますが、一般的に腫瘍マーカーは早期癌では上昇しないのでこれだけで膵臓癌の早期癌はまず見つからないと思います。
2.腹部超音波検査(腹部エコー) 膵臓は後腹膜臓器であり、お腹の中でも背中に近い方に位置するため、体表から行う超音波検査(腹部エコー)ではよく見えないことが多いです。特に内臓脂肪の多い人はほとんど見えないこともあります。 3.腹部造影CT検査 造影剤を使用した断層撮影ですが、有用だと思いますが放射線被ばくの問題があるため、定期的検査のため行うことはお勧めできません。 4.腹部MRI(MRCP)検査 MR胆管膵管撮影といって、MRI装置で胆嚢・胆管・膵管を描出する検査です。 MRIは磁器共鳴画像といい強い磁場を使いますので放射線の様に体に害はありません。 また、膵臓癌の早期には膵管の軽度拡張などがみられるため膵管を無害で描出できるMRCPはかなり有用と思われます。 5.超音波内視鏡検査 腹部超音波検査は体表から行う検査ですが、超音波内視鏡は胃カメラの先に超音波機器がついており、より膵臓に近い位置から超音波で膵管が見られるためかなり有用ですが、通常より太いカメラを口から挿入するので、かなり熟練した医師にやってもらわないと苦しい検査であります。 以上より、私が思うには現時点で一番侵襲がなく有用な検査はMRCPだと思います。 もちろん、検査にも一長一短があるのでいろいろな検査を組み合わせたほうがより発見率は上がると思います。ただ、人間ドックの様に毎年行う検査であれば、なるべく苦しくなくて害のない検査が良いと思いますのでどれか一つするとするならばMRCPが良いと思います。 私も実際6か月に1回MRCPを受けています。 胃癌、大腸癌は定期的に内視鏡さえしていればほとんど早期発見できると思います。 私は自分の診ている患者さんを絶対に胃癌、大腸癌では死なせないという思いで検査を行っています。ただ、これだけ膵臓癌が増えている中で胃癌、大腸癌は救えても膵臓癌で亡くなるという方が出てくるかもしれません。 そこで、当院では膵臓癌も救えるようMRCPによる膵癌ドックをやる準備をしてまいりました。 この度体制が整いましたので近々公表いたします。 膵臓癌の危険因子 家族に膵臓癌に罹患した人がいる、糖尿病、慢性膵炎、膵嚢胞がある、肥満、喫煙者、大量飲酒者など
1つでも当てはまる方はぜひ膵癌ドックを受けてください。